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MASTER KEATON [フォトエッセイ]

『MASTER KEATON』というマンガが大好きだ。
というか、主人公の平賀・キートン・太一こそ、私の最も理想とする男性なのだ。

ロイズ

そのキートン氏が、自分の意志とは裏腹に請け負っている仕事のクライアントがこちら。シティ・オブ・ロンドンにあるロイズ保険組合だ。

その由来はマンガの中にも書かれているが、保険は、元々「賭け」から始まった。
一定期間内に「何かが起こらないこと」に賭ける。

遺跡1

今、日本で多くの人が加入している生命保険や火災保険は、客から預かった掛け金を保険会社が組織的に投資・運用して増やすマネーゲームだが、ロイズの扱う保険は、アンダーライターと呼ばれる保険引き受け人一個人が無限責任を負う(現在は有限責任の法人も認められている)という極めて「賭け」的要素の強いものだ。

そう、ロイズは保険会社ではない。
ロイズ保険組合はロイズ保険ビルを所有し、取引の場と保険引き受け業務に関する事務処理サービスを会員に提供するために存在している法人。
つまり、ロイズ保険組合はブローカーとアンダーライターを会員とする自治組織であり、通常の保険会社のように保険引き受け業務は行わない。
保険を引き受けるのは、アンダーライターだ。

アンダーライターは、何も起こらなければ莫大な掛け金を得ることができる半面、ひとたび保険が発動されることになると、莫大な保険料を支払わなければいけない。そのため、アンダーライターになるためには、資産や地位、人柄等に関し、とても厳しい審査があり、さらに会員の推薦がないと認められないそうで、アンダーライターになることは、英国紳士にとって一種のステータスとされてきた。

というのも、長年、アンダーライターは、英国人男性しかなることができなかったからだ。
(1969年、引き受け能力増大の目的で外国人男性に会員資格が与えられ、翌70年には女性にも会員資格が与えられるようになり、 1992年には有限責任の法人ネームの募集も開始されたので、今は英国人男性限定ではない)

遺跡2

ロイズの保険も元々「賭け」から出発しただけあって、極めてシンプルだ。
不正が行われないかぎり、結果に対して約束の保険料が全額支払われる。
(事故ならOKだが病気はダメ、自然災害の場合はダメなど、いろいろな条件をつけて保険を販売するのはアメリカ流)

再保険(大規模な自然災害や事故など、1つの保険会社では負うことのできないリスクの高い案件に対して、保険会社がかける保険)の請け負いにおいて世界一と言われているロイズが扱う保険のリスクはとてつもなく高いものが多く、それを個人で無限責任を負わなければいけないアンダーライターは、保険が発動されると一個人が破産するだけでは済まないことも。
そのため、ロイズの調査能力は半端ではないらしい。

ロイズ2

本当に平賀・キートン・太一のような人が働いているかもしれない。。。




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コメント 28

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末尾ルコ(アルベール)

興味深いお話ですね。マンガも時間があるときにチェックしてみようかな。
今回のお写真。モノクロもいいですが、2枚のカラー写真。
わたしはこんな感触の、ヨーロッパの昔のポストカードみたいな色合いが大好きなのです。

                        RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2010-01-27 00:47) 

かい

こんばんは。
私もマスターキートンは大好きです。
ちょっとだけ考古学者になりたくなりましたね。
by かい (2010-01-27 01:01) 

★まっと★

ロイズのお話たのしかったです。英国時代に利用していたのはロイズ・バンクでした。
by ★まっと★ (2010-01-27 06:44) 

雉虎堂

この人たちも
砂漠を身一つでサバイバル出来たり
するんですかね(^m^)
by 雉虎堂 (2010-01-27 07:02) 

銀四郎

確かオックスフォード大卒でしたっけ?。。。
by 銀四郎 (2010-01-27 07:04) 

ジョルノ飛曹長

ロイズとはそういう組織だったんですね。
違う解釈をしていました^^;
by ジョルノ飛曹長 (2010-01-27 12:27) 

ikuko

マンガ、ほんのちょっとだけ読んだことありますが、
興味沸いてきましたー。

プレーリードッグのお話、衝撃的でした(>_<)
い、痛そう〜〜。
by ikuko (2010-01-27 13:23) 

くまら

浦沢直樹の漫画以前はよく読んでましたが
マスターキートンは読んだ事ないです。
今度ブックオフにでも行って
立ち読みしようと思います^^
by くまら (2010-01-27 14:46) 

**NAO**

マスターキートン、少しだけ読んだことあります~
この人の漫画面白いですよね^^
by **NAO** (2010-01-27 14:52) 

CANDy

浦沢先生の漫画は「YAWARA」しか読んだことないです。
私には難しい内容かも知れませんが、読んでみます!
お写真どれも素敵ですね。ラストがとくに好きです!
by CANDy (2010-01-27 16:13) 

こうちゃん

漫画は手塚さんが多いですね。
by こうちゃん (2010-01-27 16:41) 

rantan-nya

浦沢氏、面白いですね・・
今ちょうどビリーバットを読んでます
by rantan-nya (2010-01-27 17:10) 

kanadian

そういうシステムの保険があるって初めてしりました。ハイリスク、ハイリターンとはこのことか〜。
by kanadian (2010-01-27 18:44) 

21世紀中年

やっぱ、なんやかんや言ってもイギリスというのは奥が深いんですねえ。
by 21世紀中年 (2010-01-27 19:09) 

toshi

こんばんはー^^
信頼が全てですよね
それがブランドなんですね♪
by toshi (2010-01-27 20:12) 

mine

『MASTER KEATON』を熟読した結果、
作中のネタが大学入試の小論文に使えることを発見し、
みごと受験に合格したのはマジ実話。
by mine (2010-01-27 20:21) 

sira

お・・・ロイズ。
大学の授業で習いました^^
by sira (2010-01-27 21:33) 

mwainfo

最近、民主党の重鎮たちが英国視察に行ってます。うわべだけ見ても役に立ちませんね。
by mwainfo (2010-01-27 23:08) 

150馬力

私はパイナップルアーミーが好きだったりします(笑)
by 150馬力 (2010-01-27 23:56) 

esme

たしか、船会社が船にかける保険とか、航空会社がかける保険もロイズだったような。。ひとたび大きな事故が発生すると大変なことになる半面、莫大な掛け金も手中に収められるとか、、普段は乗馬を楽しむ上流階級な人達ですよね・・・。漫画読みたいです。。
by esme (2010-01-28 01:15) 

gyaro

MONSTERから入っちゃったので、未読ですが、
ずっと興味があった作品です☆
保険の営業やってた時期がありますが、
その辺の情報ってまったくどうなってるのか
わかりませんでした^^;
by gyaro (2010-01-28 04:49) 

SIBA

MASTER KEATON、聞いたことはあるけど、
中身は知らない私です・・・無知だわ~^^;
by SIBA (2010-01-28 17:12) 

ヨンタロー♀

んー、読めば読むほどcjlewisさんの謎が深まります。
ロイズって、チョコレートやさんしか知らない私デス。
by ヨンタロー♀ (2010-01-28 19:50) 

Azumino_Kaku

大英帝国の歴史の重みを感じさせるお話ですね。
by Azumino_Kaku (2010-01-28 21:26) 

LUCKY13

キートン面白いですよね、
好きなコミックです^^
by LUCKY13 (2010-01-29 19:06) 

pica

『MASTER KEATON』は私も大好きな、大好きな漫画。
何度も繰り返し読んでますv
by pica (2010-01-30 01:45) 

kaika-t

『MASTER KEATON』、面白いですよね。^^ 私も好きです♪
by kaika-t (2010-01-31 12:07) 

cjlewis

みなさま、ご訪問ありがとうございます。

>RUKOさん、
ありがとうございます。
実は、このカラ―写真載せるの、ちょっと迷ったんですよねぇ。
あまりにも昔の写真過ぎて、画質があんまりよくない。。。
そういう意味では昔っぽいかも。

>かいさん、
私も、このマンガ読んで、考古学者っていいなと思いました。
でも、よく考えてみたら、私、世界史が超苦手だったんです。
学生時代、捨ててたんで、知らないことが多く、
遅ればせながら、このマンガでずいぶんと学習しました。(笑)

>★まっと★さん、
私も、ロイズ銀行に口座、ありました。
英国は、小切手使えるほうが、いろいろ便利ですからね~
半年以上お金を動かさないと、口座維持費をとられるので、
今はもう閉じちゃいましたが。

>雉虎堂さん、
だったら、すごいですよねぇ~
入社試験にサバイバルテストなんかがあると
おもしろいなあー

>銀四郎さん、
はい、そうです。
頭がいいのもとても魅力的ですが、
いちばんカッコいいと思うのは、やっぱ、サバイバル能力ですね。
けっして絶望することなく、
身近にあるものでなんとか生き残る手段を考えことができる、、、
これは、男性として最高にカッコいい!

>ジョルノ飛曹長どの、
私もこのマンガで初めて知りました^^

>ikukoさん、
プレーリードッグの話、おかしいでしょ。
「痛い!」って叫んで、顔上げたら、
口のところにプレーリードッグがぶら下がってました。。。
笑っちゃイカンと思いながらも、大爆笑でした。

>くまらさん、
ぜひ、読んでみてください。
もう15年くらい前に完結してますが、確か16巻くらいしかないので、
ブックオフに1週間も通えば読破できるかと。(笑)

>**NAO**さん、
おもしろいですよねぇ~
でも、超長編が多いので、途中で挫折しちゃうものも。
マスター・キートンは、手軽に読破できますので、ぜひ!

>CANDyさん、
ありがとう!
マスター・キートン、難しくないですよ。
一言で言うと、探偵モノです。
きっと、気軽に読めるはず。

>こうちゃん、
ま、基本ですからね。

>rantan-nyaさん、
昔の会社、毎日、男子が誰かしらマンガ誌を買ってくるんで、
常にオフィスにマンガが落ちおり、
業務時間中によく読んでいたんですが、
今はもうちょっと会社っぽいとこに勤めてるもんで(笑)、
新しいのは、とんと読んでないんです。
『ビリーバット』、おもしろそうですよね。
完結したら、まとめ読みだな。

>kanadianさん、
英国人は、とにかく賭け好きなんで、
こういうもんが生まれたんでしょうね。
貴族社会ってことも影響してると思いますが。

>21世紀中年さん、
歴史ある国ですからねぇ。
でも、まあ、元をただせば、賭け好きなおっさんたちの
集まり。それが、長い間に進化していったんでしょうね。

>toshiさん、
貴族の方々のプライドは半端じゃないですから、
名誉というべき、アンダーライターになったからには、
保険が発動される事態になったら、
「潔く、すぱっと」保険料が払われると思います。

>mineさん、
マジっすかぁ?
そりゃ、スゴイ!
私の友人は、就職のとき、『ゴルゴ13』を全巻買いこんで、
世界情勢を勉強してましたっけ。

>siraさん、
経済学部?
実は私、このマンガを読むまで、全然知りませんでした~

>mwainfoさん、
そうなんですよね。
あの海外視察ってヤツ、本当に役に立ってるのか???
税金で行ってるんだから、どういう成果があったか、
ちゃんと報告するようにしてほしいです、ぜひ!
で、国民が納得しなかったら、旅費は返還してほしいです。

>150馬力さん、
パイナップルアーミーも大好きで、全巻持ってます。(笑)

>esmeさん、
今はいろいろな保険がありますが、
ロイズは元々海上保険からスタートしました。
昔、海運業関係の人たちがたむろってたカフェがあり、
そこで、ハリケーンが来るかとか、
あの船は期日までに荷を届けることができるかとか、
そういう賭けが日常的に行われていたそうです。
(英国人はすごく賭け好き)
そのカフェがロイズの起源だそうです。

マンガ、きっと、esmeさん好みだと思いますよ~
イメージですけど。(笑)

>gyaroさん、
MONSTERは確か、、、
マスター・キートンが完結した直後くらいに
連載が始まったように記憶してます。
ちょっと読んでいたんですが、
なんとなく読まなくなっちゃいました。
今度、最初から読んでみようかな。

しかし、gyaroさんが保険の営業やってたなんて
意外~ ニッセイのおじさん?

>SIBAさん、
連載されていたのは、青年誌でしたから、
女性は知らないことが多いかも。
でも、女性でも読みやすい、おもしろいマンガです。
機会がありましたら、ぜひ!

>ヨンタロー♀さん、
謎ですか?
そんな複雑な人間じゃないんですけどねぇ~(笑)
ロイズのチョコポテチは、私も大好きです。

>Azumino_Kakuさん、
日本人がまたちょんまげだった頃から
今のロンドンの街並みはそんなに変わってないですからね。
現代になってからの重さというか厚さみたいなもんが
ずいぶんと日本と違う気がします。

>LUCKY13さん、
LUCKY13さんもお好きでしたか。。。
私は今もときどき繰り返し読んでます。

>picaさん、
考古学の話がベースになってる探偵ものですからね、
今読んでも古いって気がしませんよね~
我が家は、トイレに常に何冊か置いてあります。(笑)

>kaika-tさん、
あら、kaika-tさんも!
学生時代にこのマンガがあったら、
世界史、選択してたかも。
あの頃は、覚えなくちゃいけないことが多すぎると
敬遠してましたが。。。
by cjlewis (2010-02-02 14:57) 

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